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歯並びは一晩で出来上がったものではありません。一本一本期間を置きながら生えてきて、さまざまな条件の中で歯並びを形成していきます。歯は力関係でその位置を変えます。口の周りの筋肉の使い方、舌の動かし方、噛み癖、顎にかかる力の大きさと方向、身体の姿勢、頭の角度等に影響されて力学的なニュートラルな位置に落ち着きます。
歯並びの良し悪しは身体の基本的骨格が決まっていく2歳ころまでの生活が大いに関係します。 抱くときにいつもどちら側に抱いていることが多かったか、寝ているときに顔はどちらを向いていることが多かったか。顔と顎、肩、腰、足首、これらが同じ方向に向いているかどうか。座るときに脱力姿勢でいることが多いか。長時間同じ姿勢をしているときにどのような姿勢になっているか。長時間ずれた同じ姿勢をとり続けると、そのずれたままでいても良いように、身体の他の部分が変化し、ずれたままで固まろうとします。成長の過程で問題が生じると正常な形成がないままで身体すべてが関連づけられて成長してしまいます。
問題はそこだけではなく、身体すべてに波及します。特に腰骨の正しい発育が要(かなめ)になります。正しい骨盤、股関節の発育のためには乳児の頃にハイハイをたくさんさせることが大切です。大人の方でもハイハイをすることは骨盤と股関節に対して非常に良いことです。そのときには首をあげ、背骨をそらしぎみにしてハイハイしましょう。乳児が行う姿勢と同じです。ひざと手首を傷めないように気をつけましょう。最近の子供達の成長ではあまりに早くつかまり立ちが始まり、ハイハイすることでしか形成されない骨盤の一部(大腿骨骨頭が入る臼蓋部分あるいは仙腸関節)の発育が、未発育のまま次の段階へ入ってしまうい、後でその後遺症(猫背など姿勢の制御機能の低下、股関節障害、手根幹症候群、ケルバン病など)が起こることが多くあります。そしてこれは同時に歯並びの形成に深く関係してきます。今はもうやらなくなってしまいましたが、われわれが小学生の頃よくやらされた雑巾がけは腰の強化に非常に効果的です。 |